映画評論

エクスペンダブルズとガンダム00劇場版と物語の彼岸

ちょっと時間が出来たのでシルベスター・スタローン監督・主演の映画「エクスペンダブルズ」と、水島精二監督黒田洋介脚本のアニメ映画「機動戦士ガンダム00劇場版」を見てきました。ガンダム00劇場版は仲間内でも評判が高く楽しみにしていたのですがなかな…

インビクタスの描く奇跡

この映画をクリント・イーストウッドが撮ったということをまず心から喜びたい。世界の理不尽、人が人を赦すことの困難を描き続けてきたイーストウッドだからこそ、この物語は輝きを増す。この映画で描かれるネルソン・マンデラの起こした奇跡は、実話である…

映画たり得なかった「東のエデン劇場版I」

実は初日に見に行きました。テレビシリーズを楽しんだものとしてはそこそこ面白がる事も出来たし、それでお茶を濁そうかとも思ったのですが、やはりどう考えても不十分な出来であったことは疑いようがなく、それについて触れないのも不誠実に思って書いてい…

サマーウォーズにみる、表層の豊かさと、深層の軽薄さ

細田守監督の最新作「サマーウォーズ」を観てきました。結論から言うと、とても残念な内容でした。この感想も書こうかどうしようか迷ったのですが、同じような観点で書いてある評を見つけることが出来なかったのであえて書いてみようかと思います。 まず誤解…

ジョーカーの恐怖の源泉と、それに対抗しうる力

さて、ダークナイトです。作品全体に関する評や解説は既に優れたものがたくさんありますのであえてここでは書きません。この作品が描き出したものはあまりに巨大で、ひとつの角度から照らしてその全貌を把握することは困難です。ここに綴る考察は、私なりに“…