なぜコードギアスなのか。情報圧縮論のモデルケースとしてのコードギアス

ここでちょっと私が何故ここまでコードギアスという作品に傾倒して多くを語ろうとしているかという事についてちょっと覚え書きというか、所信表明のような事をしておこうかと思います。

情報圧縮論―物語の密度を高めるには―

盟友LDさんとの共同サイト漫研での議題の一つに<<情報圧縮論>>というものがあります。これは、ページ/単位時間あたりの情報量が多い作品が優れた作品の一要素であるというLDさんの持論を発展させたもので、わかりやすさを維持したまま作品内の情報密度を高める大系的な技術が存在するのではないかという仮説なんですね。

きっかけはスクラン

この考え方のきっかけになったのは、ピアノ・ファイアのいずみのさんのスクラン考、及びスクランデータベースなんですね。

週刊少年マガジン連載のSchoolRambleという作品は、毎週わずか9Pという連載形態にも関わらず、普通ではちょっと考えられないほどの膨大な情報が作品内に詰め込まれていて、それが物語を豊饒なものにしている…こうゆう表現方法があるのかと、非常に強いカルチャーショックを受けたんですね。

School Rumble(1) (講談社コミックス)

School Rumble(1) (講談社コミックス)

そしてコードギアス

ちょうどそんな時に出会ったのがコードギアスという作品です。元々私は熱心なアニメ視聴者ではなく、周囲が盛り上がっている時も遠巻きに静観していたのですが…これはガンダムに匹敵する傑作だよ!という強い友人の薦めがあって(笑)そこまで言うならお手並み拝見しようとゆう事で見た回が、ファンの間でも特に人気がないと思われる第15話「喝采のマオ」だったんですね(笑)。はっきりいって全然わかりませんでした。ロボットアニメと聞いてたのに一切ロボット出てこないし(笑)。

もう1話見てピンと来なかったら諦めるか、と思って見たのがCSで周回遅れで放映されていた第11話「ナリタ攻防戦」だったんですね。ええ、めちゃくちゃおもしろかったですとも。そして、ただ面白かったという以上に、そこに情報圧縮の萌芽を見たんですね。

このあたりの話はまだ私もLDさんも文章にまとめ切れてない話だったりするんですが…

  • 反復・対比の多用
  • 暗喩的なキャラクターの造型やアイテム
  • 多層的な人間関係
  • 複数の視点の混在

こういった要素がコードギアスの演出には非常にふんだんに用いられているのは間違いのないところです。それを意識しながら見るとコードギアスの物語がとても豊潤なものに見えてくる。このあたりの話を具体的な例を用いながら説明できていけたらいいな、とも考えています。