コードギアスで繰り返される“手つなぎ”というモチーフ

コードギアスにおいてもっとも繰り返し多用されているモチーフの一つに“手つなぎ”というものがあります。
第1期1話のアバンタイトル(オープニング前のシーン)での幼少期のルルーシュとスザクのエピソード。
崖から滑り落ちそうになるルルーシュの手をしっかりと掴むスザク…すべてはここから始まった。

第1期における手つなぎ

この手つなぎが最初に反復されるのは第4話「奪われた仮面」において。塔から滑り落ちそうになるルルーシュの腕をしっかりと捕らえるスザクのシーンですね。シチュエーション、キャラクターの配置とも明らかに反復していますが、手を握りあうのではなく、スザクが一方的にルルーシュの手首を掴んでいるというのがポイントです。

その次にスザクとルルーシュの手つなぎのモチーフが現れるのは第20話「キュウシュウ戦役」において。スザクのピンチに駆けつけたルルーシュのガウェインが、エナジーフィラーをスザクのランスロットに手渡しするというシーンで現れます。ゼロという仮面を被った状況で、ナイトメアフレーム越しという条件の違いはありますが、ピンチに手をさしのべるという形は反復といえるでしょう。後の情報で分かる事ですが、この時点で既にスザクはゼロの正体に感づいているというのも趣深いところです。

スザクとルルーシュ以外の手つなぎでは、やはり第15話「喝采のマオ」でのルルーシュとCCの手つなぎが印象深い。手つなぎは信頼の証、相手に自らの命を預ける事の象徴なんですね。

ルルーシュとCCの手つなぎと対称されるのが第20話のラストシーンでのスザクとユフィの手つなぎですね。こちらも、互いの信頼を確かめるという形で表現されています。

R2における“手つなぎ”

第2期においては今のところ明確に手つなぎを反復したシーンは登場していません。その代わりに多用されているのが、“差しのべられた手に届かない”というシーン。

まずオープニングからしてナナリーに手が届かないルルーシュ。CCと手が繋がらないルルーシュというシーンが“交わらない君と僕”という歌詞と共にと描かれています。

そして第1話でのルルーシュとロロ。落下するロロに差しのべた手が届かないというのは明らかに1期1話の冒頭との対比となっています。

オープニングのシーンは第7話でナナリーの元に駆けつけるが届かないルルーシュというシチュエーションも想起させます。とはいえ、これは反復ととるにはちょっと弱い。

とはいえ重要なモチーフなのは間違いないので今後も引用されるのは間違いないでしょう。見落としも、結構ありそうな気もします(汗)。気付いたシーンがあれば指摘していただけると嬉しいところ。

ここ数話は反復演出をとるべきところで演出し切れてない印象がちょっとあったりするのですが…このあたりも仕切り直しでしめてきてくれると嬉しいですね。

■追記■

ところで、手をつなぐという描写でインパクトがあるのはルルーシュとユフィのそれだと思う。

■22話「血染めのユフィ」より
ルルーシュは最初、ユフィと手を組むつもりはなく、計画に利用するつもりでした。一方的に押し付けられる善意。そんなものはお断りだと。しかし、ユフィは上から目線ではなく、対等な立場からルルーシュに協力して欲しいと頼みます。「ただのユフィなら一緒にやってくれる?」と。信頼しあったユフィとルルーシュは同じ目的…ナナリーのために協力します。同じ目的のために信頼しあったふたりが手を組んだあとは目的達成もしくは目的へ前進していました。マオからナナリーを救い出し、キュウシュウブロックを鎮圧したルルーシュとスザクにしろ、20話ラストの「私を手伝ってくれますか」「イエスユアハイネス」と手を取り合ったのユフィとスザクにしろ。

相互信頼した上で手を組んだあとはいつも上手くいっていたんです。

しかし、それまでのセオリーをぶち壊してしまうのが超常の力、ギアス

ギアスの前では信頼関係は踏みにじられ、その信頼関係の上で目指していた目的も達成できなくなってしまうんです。
麦秋 : コードギアス 同じ目的のため手を組む。 http://bakushuu.exblog.jp/8960030/

第22話における、ユフィとルルーシュの手つなぎについて失念していました。ご指摘ありがとうございます!詳しくは引用先を見ていただくとして。

どうも22話に関しては記憶にブロックがかかっているというか、分析の為とはいえ恐ろしくて再視聴出来ないでいます(汗。他のエピソードは10回くらい繰り返し見てるけど、22話は3回しか見てなかったり…あれは、本当に心臓に悪いエピソードです。思い出すだけで胸が苦しくなります。