扇と玉城に見るコードギアスのキャラクター類型

 よく、コードギアスのキャラクターは類型的、という話をよく耳にし、私自身もそう思わなくもないところもあるのですが、具体的にどうゆう類型と言われると、ちょっと言葉に窮したりもします。

■スザクとルルーシュ

 スザクとルルーシュアムロとシャアの関係の引用であるのはほぼ間違いのないところなんですが、それぞれがシャアとアムロと同じではなく、正の部分はスザク、負の部分はルルーシュに寄り集められてより一層極端なキャラクターになってるんですね。

■2人1組のキャラ設定■

 そうしてみると、コードギアスのキャラクターの多くが2人1組の単位で造型されているのに気付きます。ルルの右腕として武闘派・清廉潔白な藤堂と、頭脳派・狡猾なディードハルト。スザクとルルのパートナーとして、天真爛漫なユフィと、天の邪鬼なCC。R2の社交的なジノと、内向的なアーニャも対称的なキャラクターですね。ギルバートとダールトン、ロイドとラクシャータのような、役割の似たキャラは外見を対称的にしていますね。これは、並べた時にそれぞれのキャラクターが際だって見えるという利点がありつつも、作り物めいて見えてしまうという弱点も同時にあります。このあたりが、コードギアスのキャラクターが類型的に見える一因でしょうね。

■扇と玉城■

 その中でも極めつけなのが、黒の騎士団創立メンバーの2人、扇と玉城ですね。実はこの2人第1話から登場している。玉城は名前だけなんですが。あまりに“らしく”て見返して気がついた時には思わず笑っちゃいました(笑)。

  • まじめで正直で人を信じやすく、いろいろと要らぬ苦労を背負い込む男、扇。
  • 自信家で誇大妄想で言行不一致で、だけど悪運だけはやたら強い男、玉城。

 こうしてみると、実はこの二人って、スザクとルルーシュの特徴を、とことん平凡化して作られたんじゃないかと思うんですね。どこにでもいそうな、ごくごく普通のキャラクターだけれども。ピンとキャラが立っている。この2人が居るおかげでルルーシュのぶっ飛んだ計略の中でも何か地に足のついた安堵感があったりするんじゃないかなと。

■アッシュフォード学園の普通の人々■

 2人1組のキャラクター設計がなされる中で、実はアッシュフォード学園の生徒会メンバーは、そうゆう対称的なキャラクター設計をしていなかったりします。それぞれが、複雑な内面を持った普通のキャラクターとして設計されている。戦闘パートにおいてはエッジの効いた過剰に分かりやすいキャラクター設計をし、日常の、学園パートにおいてはごくごく当たり前のキャラクター設計を行っているんですね。大きな枠で2極化しているともいえますが、こういったメリハリがコードギアスのキャラクターたちをより印象深くしているんでしょうね。