死んでおるギアス
ギアスってやつは、超常の力に依るまでもなく、常に存在していて僕達を束縛している。コードギアスのリアリティ----超常の力としてのギアス/超常ではない人間模様としてのギアス - シロクマの屑籠(汎適所属)
p_shirokumaさんのこの考察は非常に的確で、コードギアスという作品は有形無形の行動を束縛する呪いのような力が働いていて、ギアスの超常能力というのは明らかにそのカリカチュアなんですよね。
死んでおるギアス
その中でも特に強力なのが、皇帝が幼いルルーシュに発した「死んでおる」という言葉によるギアス。皇位継承権なんて要らないと言うルルーシュに対し、力を求めないのであればそれは死んでいるのと同じだと突きつけたんですね。とルルーシュという生来心優しき少年は、CCに出会うまで、ギアスの力を得るまでは、それでもいいと思っていた。それが、第1話でのルルーシュの「あの日から俺は、ずっと嘘をついていた。生きているって嘘を」という台詞に繋がるんですね。
ブリタニア帝国のルールを否定し、小さな幸せこそを求めているのに、力を求めた時から皇帝の敷いたルールに則って生きてしまうという矛盾。力を放棄するという選択肢は常にあるのに、それを選択できないのは、皇帝の言葉によるギアスにルルーシュが支配されているからなんですね。「また昔みたいになるくらいなら」死んだほうがマシだ(第1期7話)という、その昔こそがルルーシュの求める幸せであるのに…。