ルルーシュの涙

 “ニーナ、涙が流せるうちは大丈夫…”

 シャーリーの訃報を聞き涙を流すニーナに対して、カノンがかけた優しい言葉。涙を流すというのは、素直な感情を発露する事の象徴なんですよね。

 1期22話でユフィの為に流した涙。前回R213話でシャーリーのために流した涙。ルルーシュが涙を流したのはこの2シーンです。涙を流すことの出来るルルーシュは、まだ、大丈夫なのでしょうか。

涙を流すのをやめる時

 人は、大きな悲しみに駆られた時、それに何らかの意味を見いだし、それを守るべき真実とすることで泣くのをやめ立ち上がる事が出来る。ユフィの死、シャーリーの死によって行動を起こしたルルーシュのように。あるいはユフィの死によって行動を起こしたスザクのように。だけれどもその盲目的な決意は、時に現実との齟齬を来たし、滑稽なほどに的外れな言動となって現れてしまう。それを回避することは、とても難しい。

シャーリーとカレンの涙

 シャーリーは、父親の死に際して涙を流し、しかしその死に意味を見いだすことができなかった。また、カレンは神根島でのゼロの正体に直面した時に涙を流し、それに意味付けをすることをしなかった。それは、弱さかもしれない。だけれどもそれゆえにこの2人は目の前の現実を直視し、世界を歪みなくとらえることができているんですね。

 どちらが正しいとかどちらが間違っているというのは簡単に言えることではない。皇帝やCCはむしろ前者のスザクやルルーシュの盲目的な決意を期待しているようにも思える。しかし、このコードギアスは、死に意味付けをしてそれを糧に前に進むという物語を簡単に良しとはしない。そうではない道もある。そうゆう事もまた描こうとしているように思います。