ロイドの転向の理由
コードギアスR2第22話「皇帝ルルーシュ」よりルルーシュに付き従っているロイドさん。彼とセシルさんがルルーシュ側に付いたのはなりゆき、ということになっていますが、作中の描写をみると、もっと積極的に喜々として協力しているようにも見える。どうもこのあたりの心理がつかめなかったのですが、
ここで取り上げた、ゼロレクイエムは、シュナイゼルを宰相に据えることを骨子としているという読みを念頭に置いてみるとちょっと見えてきたものがあるんですね。
ロイドの望む世界
ロイドというキャラクターは、シュナイゼルと本質的に近いところがあるんですよね。第9話「朱禁城の花嫁」にてカノンにも突っ込まれていましたが、彼は本質的に人間に興味がない。恋愛についても“概念は知っているんだなあ”などと惚けてみたりはするが、恋愛感情というものを身の内には持っていない。彼が感情を表に出すのは自分の研究の成果が具現化した時。競争相手であるラクシャータに出し抜かれた時。それくらいなんですよね。このロイドとラクシャータの関係は、シュナイゼルとルルーシュの関係に重ねてみても面白いかな、なんてことも考えています。
そんな彼が、成り行きとはいえルルーシュに忠誠を誓い、その何らかの志があるであろう計画に積極的に荷担している。これは何故なんだろう。スザクに対する情という読みもありえますが、作中の描写からはそれは読み取りがたいんですよね。普通に考えれば、ルルーシュの計画の後の世界が、ロイドにとって都合の良いものだから。ということになる。では、ロイドにとって都合の良い世界とは?と考えたところで、シュナイゼルを宰相として迎え入れる世界というのはまさにぴったりなんですよね。
シュナイゼルの最大の理解者
またシュナイゼルとロイドというのは非常に長いつきあいがあるのが作中の描写の端々から感じられる。ある意味では、側近のカノンよりもシュナイゼルの人格について理解をしているのではないかと思います。ダモクレスでの一連のやりとり、特に録画ビデオを使った計略など、なぜあああでシュナイゼルを読み切れたのかと考えてしまいますが、ロイドが協力してシュナイゼルの思考をシミュレーションしたんじゃないかなどと妄想をしてみたりもします。
そこから更に発想を飛躍させて、実はゼロレクイエムの計画立案そのものがロイドさんが中心になってくみ上げたんじゃないかなどと言うことまで考えたりしています(笑)。
ルルーシュの終着点。 - 未来私考
こちらで21話の決意の時点でルルーシュが取り得る選択肢について考察したのですが、その時考えたのがやはり“シュナイゼルを王に据える”というビジョンなんですよね。作中の描写は全てそれを否定する方向で描かれているものの、あの時点でルルーシュが持っていた情報を総合すると、それが一番妥当に思える。この矛盾を解消する一つの可能性として、ロイドの助言と言うものがあったのではないか、と。
すなわち、シュナイゼルは王には向かないということ。もし彼を王あるいは王佐としたいならばギアスで強制するくらいしかないこと。そうゆう発想がルルーシュやスザクではなく、ロイドから出てきたと考えるといろいろと腑に落ちるんですよね。ギアスの強制力によってシュナイゼルの道を決めてしまうこと。それは虚無故にフレイヤを無造作に使ってしまうシュナイゼルに対する戒めでもある。この理屈であればニーナがルルーシュの計画に協力することにもある程度の説得力があるのではないか。
ちょっと細部の詰めが甘い部分も多いのですが、放映まであとわずかと言うことでとりあえず思考のきっかけにでもなればと。さて、どうでしょう。