ニコニコ生放送でアニメを流したい

 アニメ配信ビジネスが伸び悩んでいるという記事が話題になっています。

ある権利者側の人間の呟き2 結局コンテンツに金払うっていうのが定着しない。。。 - Life in Prison/生きるしかすることがない

 コンテンツごとに料金を支払うVODは伸び悩んでいて、月々定額のSVODタイプは堅調ではあるけれどもアニメの制作費を賄うには程遠い収入しか得られない、と。さもありなんとは思うのですが、場に払うタイプの課金はあくまで補助的な収入と考えて、やはりコンテンツそのものを売っていくしかないでしょう、とは思います。

 何故買い切りモデルのダウンロード販売を行う権利者が現れないのか実のところ不思議なのですが、インフラの維持費を考えても買い切りしてもらったほうがずっと負担が少ないと思うんですよね。今、アニメDVDを販売すると、製作委員会に入る収入は1話につきおよそ600円〜1200円くらいと考えられます。その金額で販売するのであればダウンロード販売でもDVDパッケージでも変らないはずなんですけどね。そんな金額じゃ売れないよ、という話もあるでしょうが、データ破損時等に再ダウンロード保障してくれるならディスクメディアよりよっぽど信頼性が高い気もするんですけどね。

参考:
アニメ屋も映画屋も売ってるのはただの円盤だよ - 狐の王国

「見たい」よりも強い「見せたい」という欲求

 それはともかくとして、本題です。昨年末にサービス開始以来大盛況のニコニコ生放送。個人向け動画中継サービスはPeerCastUstreamなどが以前からあるのですが、ニコニコ動画と同様のコメントシステムを利用できること、ニコニコ動画内のアーカイブから自由に動画を引用できることなどが大きな特徴ですね。週末ともなると100枠の放送枠に合計1万人以上が集う活況を呈しているのですが、この好評の理由って自分が好きな動画を多くの人に見せることができる、そしてその場にいる人たちと体験を共有出来るからなんですよね。

 思うに、音楽CDを買ったりDVDを買ったりする理由って、単純に手元においておきたいという所有欲もありますが、それと同じくらい、好きな音楽や映像ソフトを友人と共有したいというところも大きいと思うんですね。手元にあればいつでも「見れる」。だけど見たいときに見るだけだったらレンタルで十分とも言える。それ以上にやっぱり「いつでも見せられる」という理由のほうが個人的にはウエイトが大きいように思います。

ユーザーによる自主上映

 それでですね。ニコニコ動画におかれましては、是非ニコニコ生放送で有料動画を丸ごと1本放送する権利を販売して欲しいなと。アニメに限らなくて今、企業チャンネルで死蔵されているような有料コンテンツなんかを、ユーザーが身銭を切って、1回何百円とかで生放送に乗せることが出来たら、結構利用する人は多いんじゃないんですかね。そもそも拙ブログなんかもそうですが、熱心なファンと言うのはとにかく人にやたらと勧めたがる、むやみにエバンジェリストを気取る人間が大変に多い(笑)。大好きなアニメや映画を大勢の人に見てもらえるならいくらでも身銭を切るよと言う人は、確実にいると思うんですね。そして放送されたら見る人がいるのは、公式のアニメ生放送の盛況ぶりを見ても確定的に明らか。

 料金としては上限10人の部屋が100円、100人の部屋が500円、500人の部屋が1000円とか、想定観客数の規模で課金を振り分けるとよりよいんじゃないかな、などと。なにより後ろめたさを感じることなくわいわいと楽しめるというのが精神衛生上非常によろしいと思うのですが、いかがでしょう。