巡音ルカ発売初日の動きを追ってみた
Vocaloid2 CV03巡音ルカがついに発売されましたね。そこで発売当日の1月30日のニコニコ動画上に投稿された巡音ルカ関連動画の傾向を追ってみました。
調査対象は「巡音ルカ」タグが付いた動画のうち投稿日時が2008年1月30日になっている143件。何か自動取得の方法はないかと考えましたが、いい方法が思いつかなかったので目視で指折り数えました(笑)。多少の誤差はあると思いますがお許しを。
2008年1月30日投稿動画中
圧倒的に多いオリジナル曲
まずデータをざっと見て思うのはオリジナル曲の多さですね。再生数も1位〜4位までがオリジナル曲と、圧倒的に主力になっています。
ちなみに5位にはワンカップPの恒例の動画が滑り込んでます。
上位の動画を見ても、特定のジャンルの偏りと言うのは特になく、曲のテーマも傾向は見出せない印象ですね。過去のVocaloid系ソフトの発売当日に比べていわゆるネタ系の動画の少なさも際立ちます。発売前はマグロださくら棒だグラットンソードだといろいろと持ち物ネタが盛り上がっていましたが、初日に投稿された動画でそれらをネタにした動画は1割にも満たない印象です*1。
これは作り手側の成熟ともいえますが、新規参入の敷居が上がってしまっているという可能性もありますね。とはいえ、巡音ルカは従来のシリーズと比較してもかなり扱いやすいとの評判ですので、今後傾向がまた変わってくるかもしれません。
カバー曲の傾向
日英バイリンガルのVocaloidということで、数こそ多くはないものの外国語曲カバーに挑戦した動画も目に付きますね。
ほとんどベタ打ちと思われるのですが、とても耳馴染みがよく聞こえます。日本語曲に比べてあらが見えにくいと言う効果もあるのかもしれませんw。
あとなぜかユーミンのカバー曲が複数上がっているのが気になったりw。
歌唱の特徴
初日からいきなり高レベルな楽曲が投入されている巡音ルカですが、まずどの曲を聴いても思うのが、その滑舌の良さですね。とにかく一音一音がとても聞き取りやすい。また高音域を歌わせると機械っぽさがでてしまいますが、低音域は厚みがあってとても耳馴染みがいい。これは他のVocaloidシリーズと比較して大きなアドバンテージですね。巡音ルカは意外とVocaloidならではの曲よりも、既存の楽曲のカバーを歌わせたほうが強みが出るのかもしれません。メルトや炉心融解等Vocaloid名曲カバーも投稿されているのですが、どうもあまりしっくりこないんですよね。
今後の展望
発売前から実力派との噂もありある程度予想はしていましたが、鏡音リン・レンやがくっぽいどの発売当日とはかなり違う立ち上がりをみせた巡音ルカ。ニコニコ動画的なネタ文化とのマッチングがどうなっていくのかは不透明ですが、本格的な楽曲製作を志向する層の支持は大きく取り付けるのではないかな、と思っています。その上でどうニコニコ動画に最適化していくのか、あるいはニコニコ以外の場所を主戦場にしていくのか注目していきたいところですね。ソフトウェア自体が扱いやすくなったのであれば新規参入の増加による今までにない使い方の発明なんかが起こってくれると面白いのですが。
*1:すべての動画をチェックしたわけではないので、小ネタとして使っている動画はもう少し多いかもしれません