アニメをネット配信しない理由はない

 一昨日ニコニコ動画に公式配信されたSF短編アニメ「イブの時間」のDVDが、ニコニコ市場で1晩で100本以上の売上をあげている。正確には、明日発売の第3巻の予約が+125本、既刊の第1巻と第2巻が20本づつの売上となっている。



 4万再生してたかだか125本と思うかもしれない。このイブの時間という作品が1話入り15分1300円というかなり変則的な価格設定をしているので単純に他のケースと比較できないという部分もある。しかし最適なタイミングでちゃんと届けるべき層に届けることができれば、そのうちの何人かは確実に購買行動に出るのは間違いない事実だ。今目の前で見たばかりの動画に対して1300円払って良いと考える人が確実にいる。

 ニコニコ動画でアニメの本編を配信するのに実際のところどれくらいのコストがかかるのかはよく分からないのでハッキリとしたことは言えないが、少なくとも独立U局の深夜で流すよりは格段にリーズナブルなのは間違いない。それでいて視聴者数にどれくらいの差があるのかと考えると、仮に視聴可能世帯数が500万世帯の局でも、視聴率3%取れたとしてせいぜい15万世帯(≒人数)の視聴者なんですよね。一方でニコニコで好評を博すようなアニメであれば10万再生は軽く越える。しかも気に入ったらその場で即購買行動へと移ることも出来る。果たして宣伝効果としてどちらが高いのか。

 公式サイトでのんべんだらりと無料/有料配信して思ったような効果が上がらないと考えているコンテンツホルダもまだ多いのかもしれない。あるいはネット配信で集客するためにはコストをかけて他媒体に広告を打たなければ駄目だと思っているところも多いのかもしれない。だけど、本当はそうじゃない。しっかりとタイミングを見極めて購入までの導線をわかりやすく呈示すれば、必ず効果は上がる。そのことにもっと自覚的になるべきだ。

 大事なことなのでもう一度言う。アニメをネット配信しない理由はない。