ポッドキャスティング寄席とおひねり文化

http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20090612/197445/
http://www.podcastjuice.jp/rakugo/2009/04/post-06d0.html

 会員登録数630万人を誇るポッドキャスティング寄席がスポンサー不在のため休止しているそうで。上の記事を読んで、何か喉まで出かかっているのをあえて言わないでいるように感じたので代わりに言いましょう。これこそ、おひねり(投げ銭)を導入すべきサービスなのでは?

 もともと、寄席の出演者の収入というのは木戸銭の割り分と、おひねりの2種類があるんですよね。木戸銭(入場料収入)は興業主と折半した残りを、出演者の格付けで割るので、客を呼べるビッグネームによる興業でなければ高値をつけることができません。実際各地で行われている若手の勉強会や、アマチュア寄席なんかは木戸銭は無料かお茶菓子代程度で、その代わり気に入った芸にはおひねりお願いしますという形式で行われているものが多いですよね。ポッドキャスティング寄席も真打ちを呼んだ興業ではなく、基本的には若手の勉強会という形式で、メインの聴衆もかぶっているでしょうからほぼ同じ形を踏襲しても良いのではないかと思うんですよね。

 とはいえ、実際のおひねりとネット上の投げ銭だとちょっとだけ違う部分もあって、それはおひねりは基本的にすべて出演者の取り分になるのに対して、ネットのおひねりだとそれで運営費も賄いましょうという話になってくるのが、引っかかりがあるところなのかもしれません。でもフリーミアムの考え方ってのはそういうことなんですよね。

 目的がサービスの継続という話なら尚更で。少なからずサービスの継続を望むファンがいるんですから、いっそ必要な資金目標を公表しちゃって「あといくらいくら必要です!越えた分は出演者に還元します!」みたいに謳えば思いの外簡単に資金調達できるんじゃないかななんて思うんですけどね。

 あこぎに行くなら、おひねりの収入でランキングを作って、今人気の噺家はこの人ですってやればファン心理を突いて、過剰な投資をしてくれる人も出てくるんじゃないかとも思うんですが、まああまり品は良くないかもですね。とはいえ、他の人もおひねりを投げているというのが直感的にわかるような仕組みは何かあったほうが面白いかも知れないですね。