「ガンダム大地に立つ」の再発見
ということで、機動戦士ガンダム第1話「ガンダム大地に立つ」を久しぶりに鑑賞しましたが、やはり素晴らしいものは何度見ても素晴らしい。その演出、物語性、テーマ性の素晴らしさは既に何度も何度も語られているところですので改めて語るまでもないのですが、今回見て特に感じたのはその舞台設計の素晴らしさですね。生活空間としてのスペースコロニーというものが、これでもかというくらい丁寧な考証の上に描写されていることに改めて気付かされます。
- 永井一郎さんの淡々としたナレーションで語られる、恐ろしい光景。これを毎週冒頭で見せるというのも凄い話である。
- 太陽を背にして進入するザク。この時点では作中では示されていないが、ミノフスキー粒子によるレーダー撹乱、有視界戦闘が前提の世界での定石戦術に則っている。また、コロニーのハッチが太陽の方向を向いているのも、太陽光パネルによる発電を行うことを考えればとても理にかなっている。
- 等速直線運動で遠ざかる障害物。コロニーの中心が無重力の世界であることを端的に表現している。
- バーニアを吹かさずにゆっくりと下降するザク。着地の瞬間だけバーニアを吹かすのは、遠心力による擬似重力が地表付近に近づくにつれゆっくりと増していくことを表現している
- 中心部(港)の方向に向かって傾斜が増していく地形の描写。港に至るハッチが切り立った山中にあるように見えるが、実際には巨大な壁を岩盤で覆っているだけであることがわかる。
それにしてもアムロが格好いい。改めて見直すととてもヒーロー然としている。ふと思ったのだが、フラウを励まして港まで走るように支持をするシーンは、最終回のそれと反復構造になってるのかもしれませんね。しかし本当に良いものは何度見ても良いなあ。としみじみとしますね。