「ガンダム破壊命令」を読む

 昨日は更新できなかったけどちゃんと見ました。まあ見逃してもDVDあるし、HDDレコにも常時スタンバってるんですけどねw。それでもやっぱりこうやってイベント事がないとなかなか見返す機会がないですから、やっぱり楽しいですね。ということで軽く内容に触れましょう。

 この第2話の主役がホワイトベースのパオロ艦長であることに異論のある人はいないでしょう(本当か?)。とにかくこの艦長が格好良すぎる。配下の将兵のほとんどがザクの襲撃によってやられてしまった中で、自ら機銃座につき応戦しているところでパイロット候補生のリュウとのやりとりがあるんですが、この人、部下が何人いたのかは分からないんですけれどもリュウの名前や配属、おそらくはその評価なんかも全部把握してるんですよね。それは士官候補生のブライトとの会話でも滲んでいて。ガンダムパイロットの名前を聞いて「アムロ…知らん名前だな」というのは人員を全て把握してないと出てこない言葉なんですよね。そして実際にその目で16歳の少年であることを確認してなお、アムロガンダムの運用を任せる判断を下している。これは実質的に「この少年なら…リュウより上手くやってくれる」と言っているにも等しいという(笑)。


 ガンダムの運用だけでなく、負傷した状態でまず残っている人員の把握に努め、可能であれば民間人の登用も含めてホワイトベースを動かすための算段を粛々と行ってるんですよね。ミライ、セイラらに手早くブリッジ業務を任せ、そして残った将兵の中で、心許ないなりにそれでも一番適格であるブライトに全権を任せるという。あまりに淡々と物事が運ぶために見落とされがちですが、冷静に考えるとこの人の人物眼は本当に凄い。物語の都合というのも勿論ありますが、ホワイトベースが1年戦争を生き残ることが出来たのはこのときのパオロ艦長の見立ての賜物といっても過言ではないでしょう。

 後半ではシャアとアムロの初戦闘が行われるわけですが、ルウム戦役で一人で5隻の戦艦を沈めた実績を持つシャアの、自信に満ちあふれた表情がガンダムの反則的に強固な装甲の前に焦りの色を隠せなくなっていくのが面白いですね。歴戦の勇者だからこそ、当然トドメを刺したと思われる間合いで平然と立ちすくむその恐怖感がとても良く出ている。板子一枚下は地獄という宇宙空間での戦闘の中で、戦艦であれ戦闘機であれ、一発当てたら勝ちという戦闘をくぐり抜けて来たからこそ「当たらなければどうと言うことはない」という台詞が出てくるわけで、攻撃を当ててもどうにもならない敵というのは想定の範囲外、相当な異常事態なんですよね。このあたりの人物の心理を追うのもまた楽しいですね。