「ザンジバル、追撃!」を読む

 順調に遅れていますが気にせずに行ってみましょう。ジャブローでの密閉作業も終え、ついに宇宙へと舞い戻ったホワイトベース。辞令を受け取る場面で、この戦争の終結点がソロモン攻略で、もしそれが成功したら「ジオンは和平を持ちかけてくる」と言い切ってるのがいいですね。殲滅戦ではなく、妥結点の探り合いという現場とは違う戦いが政治的に行われているのが透けて見えます。

 交渉の場にミライが常に同席しているというのもなかなか考えると面白くって、傍目にはいつからミライさんとブライトさんそんなラブラブに?みたいにも見えますが、多少はそういった面も含みつつも、これ、おそらくはオデッサ前にレビル将軍と連絡を取った時に、父親の名前を出して交渉してるんですよね。少しでもホワイトベースの立場を良くするために使えるものは何でも使って、結果なんか面倒くさい政治に付き合わされているという風情でもあります。

 しかし中尉任官したブライトさんの、堂々たる指揮っぷりがなんとも言えず良いですね。ほんの数話前までベッドでウンウンうなされてミライに指揮権を奪われそうになっていたのにその影はまったくありませんね(笑)。やはり組織の後ろ盾がちゃんとあって指揮権を任されているというのが安心感に繋がってるんでしょうね。

 天下御免の無責任男、スレッガー・ロウ中尉がいちいちホワイトベースのクルーを値踏みしているのが、なかなか嫌みったらしいところで。細かくミライさんに邪険にされてるのがとても面白い。そういえばフラウには粉かけないんだよなー。一応なんらかの基準がスレッガー中尉のなかであるんだろうか(笑)。