「コンスコン強襲」を読む

 濃いなあ。このころにはもう打ち切りが決定していたのかな。地上編でのスポンサーにおもねった表現は影を潜め、様々な人間模様が幾重にも折り重なった大人のドラマが展開していく。それにしてもブラウ・ブロのデザインの地味なことよ。しかもこの回ではその能力の全貌が語られることなく数週引っ張られるというやりたい放題ぶりである。

 あまりにも有名な「ドム12機が3分で全滅」は、実際の尺で3分足らずで合わせてますね。実はうち3機をセイラとカイが撃墜してたりします。

 ミライの婚約者カムラン。はっきりいってこの時点でカムランは最初からもう手詰まりで、言葉の選び方どうこうでミライの心を振り向かせることが出来るわけじゃないところがもどかしい。スレッガー中尉の「ホワイトベースのお袋さん」という台詞が一人歩きしてミライは家庭的なイメージが定着しちゃっているんだけれども、女としての部分を一番色濃く表現されているのもミライというキャラクターだったりしますね。ブライト、カムラン、スレッガーという3人の男との距離感の取り方が絶妙で…ブライトもまた翻弄されているあたりがなかなかに奥深くもあります。

 そして唐突に再登場するアムロの父、テム・レイ。一見言動に不自然なところがないにも関わらず、アムロの激昂ぶりで、「壊れてしまった」ことを表現するというのもまたテクニカルだったりします。