キリの良い数字の話

お正月ですし、賑やかしに軽くわりとどうでもいいネタ話を。

ネットを散策していると時々64や256といった数字をキリの良い数字ともてはやす場面に遭遇します。確かに2進数の桁上がりになる2の乗数はコンピューターに慣れ親しんだ人には馴染み深く、思わずキリが良いと思ってしまう気持ちはよくわかりますね。

しかし2の乗数には弱点があって、3で割り切れないんですよね。なので数字フェチ的には2の乗数と3の乗数で構成された72や108こそがより美しいとする考え方があります。実際にこれらの数字は古来より使い勝手のいい数字として重宝されています。72は魔法の数字というのはあながち冗談だけではないんですよね。
しかしそれを言ったら3よりも大きな素数、5や7の立場はどうなるんだと言う話になります。そこで上記の魔法の数字72に5と7を掛けた2520を出してみます。これがまた実に良くできた数字で、1〜10の整数全てで割り切れるんですよね。11や13は素数なので取り扱えませんが、日常的に取り扱う数字としては2520こそが究極の割り切れる数字と言っても過言ではない。

ところで上記の話は割って整数になることにこだわりましたが、小数点以下になっても無限少数にさえならなければ良いと考えると、2と5で割り切れる必要がなくなります。すると2520を素因数分解して2と5を取り除いた数字、3×3×7=63という数字が浮かび上がってくる。一見アンバランスなこの数字が、実は絶妙に均整の取れた数字に思えてくる。

この63に先ほど諦めた11を掛けると693。これが12まで割り切れる。更に13を掛けると9009。これは16まで割り切れる。しかも左右対称の美しい数列です。究極の数字2520ほどの汎用性はないものの、ある種の様式的な美を備えたこの数字は至高の数字と呼ぶに相応しい。

などという愚にもつかないことを考えていました。オチは特にありません。