フェアユースの使い道
年末の紅白歌合戦にYouTubeから人気を上げたスーザン・ボイルさんが出場して話題になっていましたが、契約の不備でその出演部分がNHKアーカイブで配信出来ないという事態になっているらしいですね。
それでふと思ったんですが、これってまさにフェアユースが有効に機能する場面だなと。契約に不備があった以上、配信を差し止めるのはスーザンさんにすれば当然の権利で、曖昧なままナアナアで済ますというのは有り得ないんですよね。ただ、放送を完全な形でアーカイブするというのは公益にかなう話なんです。まだフェアユースは施行されていませんので、とりあえず配信差し止めで改めて契約を改定したのちに配信というのが今のルールなんですが、もしフェアユースが施行されれば、とりあえず配信した上で条件面で話し合い、折り合わなければ裁判所の判断を仰ぐという手順が取れるんですよね。強硬して法外な違約金とか取られる心配もない。
フェアユースというと何故か対権力というか、個人対団体で個人に利するようなイメージを持たれることが多いですが、それは必ずしもそうじゃないんですよね。強すぎる著作権者の権利を丸めて、個人法人に限らず権利者と利用者が折り合いをつけやすくするというのがフェアユースの基本的な考え方なんですよね。
そのあたりを間違えると色々見誤ることもあるかな、なんて思ってちょっと書いてみました。