ラッキーセブンのひみつ

 7という数字は洋の東西を問わず幸運の数字、神秘的な数字として扱われてますよね。Wikipediaなどによるとラッキーセブンという言葉の起源はメジャーリーグの故事に因むらしいのですが、これって本当かなあって思うんですね。いや、そういうエピソードそのものはあったんでしょうけど、これはむしろ、7をシンボルにしたスロットマシンが普及していく途中でまことしやかな由来として一緒に広まっていったんじゃないかなんて思います。

 七福神、七曜、七不思議、七英雄…7をパワーシンボルとした言葉というのは古今東西枚挙に暇がありません。ではなぜ7が強い力を持つ数字と考えられるようになったのか。私はこれは、6面ダイスを2個振った時の期待値及び最頻値が7であることと密接に関わっていると考えます。

 サイコロというものは古代より占術の道具として、またギャンブルやゲームのランダム発生装置として人類に親しまれてきました。このサイコロというものはご存知のように、1つのサイコロを振った時の出目というのは確率的に均等で、どの目が出るかということを予測するのは基本的に不可能なんですよね。

 ところがこれがサイコロ2つの出目の合計となると話がまったく違ってくる。誰の目にも明らかなほど7の目が頻出するんですよね。確率にして6分の1。一番出目の悪い2や12の6倍もの確率で7になるんですね。現代人にしてみれば当たり前に思うかも知れませんが、確率や統計という概念が曖昧だった古代人が7を特別に力を持った数字と考えたとして不思議はないように思います。

 余談ではありますが、四季のうち最も太陽の力が弱まる冬を12月、1月、2月とするのもサイコロの出目と関係があるんじゃないかなんてことも思ったりします。

 現代的なダイスゲームの多くは3ダイス以上を使用したりしますが、3ダイスの場合は最頻値が10と11で分けあう上に、8〜13の出目の確率は体感出来るほどの差がないため特定の数字にパワーを感じるということはないでしょうね。

 実際に、古典的なダイスゲームのひとつであるクラップスなんかは一投目の7をナチュラルウィンにするなど、7に特別な意味を与えるダイスゲームは多数ありますね。ラッキーセブンの本当の由来は実はこのあたりにあるんじゃないんでしょうか。

 もう1つ、スロットマシンのスリーセブンがベストシンボルなのは、同じくカジノの定番のカードゲーム、ブラックジャックに由来するんじゃないかな、などとも思ったり。カードゲームの場合、ダイスと違って数字ごとの確率の高低というものは本来存在しません。ブラックジャックの場合は1〜10の数字を合わせて21にするのが勝利条件ですから、絵札とエース以外の数字札というのは本来カス札なんですよね。そのカス札の中で偶然にも7という数字は、3枚揃いした時にはちょうど21となる特別な存在感がある数字なんですよね。この3枚揃いで最高役になるという性質が、ダイスゲームにおける7の優位性とも相まって、3枚の絵柄を揃えるスロットマシンのシンボルとして採用されるに至ったんじゃないかな、なんて妄想してみたり。

 以上、特に文献的な裏付けは全くない数字にまつわる雑文でした。