第4回MMD杯にみる多様性

 本選出場作品だけで実に221作品にものぼった第4回MMD杯。その全体的なクオリティの高さと多様性には目を見張りますね。初日にも簡単に紹介しましたがマイリスト投票の最終日となる今日、あらためてもう一度紹介してみたいと思います。

 上位4本を見るだけでもいかにバラエティに富んでいるか分かるというものですが、現状マイリスト数1位をひた走っているChaining Intention【PV】は正統派のオリジナルミュージッククリップ。MMDはリリース当初からVocaloid曲のPV作成ツールという側面はあったのですが、その為に必要な技術やセンスのハードルが高く、これまで目立った作品というのはあまりなかったんですよね。それがこのMMD杯で、この動画だけでなくクオリティの高いPV系作品多数投稿されています。MMDの円熟を感じずにはいられませんね。

 続くニコニコ天国と地獄は、ニコニコ動画の左上のアニメーションGIFをMMDモデルで再現しながらひとつのドラマに仕立ててしまうというニコニコ的王道作品。使うモデルもVocaloid関係中心と、伝統と格式をまとった風格すら感じさせる一品ですね。こういったドラマ仕立てで疾走感のある動画というのもまた多数投稿されています。

 はてな界隈ではおそらくもっとも話題になったミクトラは、ウルトラ怪獣モデルを多数制作してきたツブラヤPの集大成的作品。気合の入った大百科記事も作られていますが、MMD自作モデルの多彩さに驚くのもMMD杯の大きな楽しみの一つですね。上位作品で曲かぶりという珍しい事態になった春香さんにjubeat(天国と地獄)をやってもらったも、100体近いモデルが登場する圧巻の動画となっており、こちらも大百科でその詳細を知ることが出来ます。

【第4回MMD杯本選】ミクトラ (sm9689271) - ニコニコ大百科
【第4回MMD杯本選】春香さんにjubeat(天国と地獄)をやってもらった (sm9689456) - ニコニコ大百科

 全体を通して思うのは、大量のモデルとモーションの共有がなされ続けたことで、動画制作の敷居を低く保ったまま、上限が同時に上がり続けているということですね。モデルもモーションも作れなくても、アイデア一つで面白い動画に出来る。ちょっと慣れてきたら既存のモーションやモデルの改造にも手を出せるし、そのまま完全にオリジナルのモーションやモデルを作ってもいい。人体モデル以外にもアクセサリや背景で遊ぶことも出来るし、それを流用、改造することが場の雰囲気として推奨されているというのが大きいんでしょうね。

その他お気に入り


 恋愛サーキュレーションの中国語歌唱にあわせてミクが演舞。切れのいい動きがとにかくカッコいい。


 人魚姫のパロディ風ドラマ。予想を超える展開に最後「イイハナシダナー」となること請け合い。


 このライブ感は素晴らしい。モデル?いやいや、心の目で見れば大した問題ではありませんw。