週刊少年ジャンプ「バクマン」表現力と想像力

 熱い展開の続く週刊少年ジャンプバクマン」ですが、今週のエピソードは、本当に面白い漫画とは何か?という問いに対してかなり踏み込んだ話をしていますね。

 主人公たちのマンガがジャンプで一番になるためにまだ足りないものとして「表現力」という言葉が出てきますが、今までアイデアの面白さで魅せるマンガを描いてきた2人がついにここに踏み込んだかと唸らされましたね。

 作中ではメリハリであるとかキャラクターの気持ちが伝わるという表現をしていますが、これは、どんなに面白い話を描いても、それが誰にでも伝わるわかりやすさがなければ大人気にはならないって言ってるんですね。理詰めで話を作っていくとどうしてもギチギチに内容の詰まったメリハリのない話になりがちなのですが、強調すべきことは強調し、そうでないところは大胆に省略するべきだと言ってるんですね。

 その上で更に踏み込んでいるのが「想像力」の話です。より面白い漫画にするためには読者が想像を膨らませるための“間”が必要だと言ってるんですね。

 漫画読みが「面白い漫画」の話をするとどうしてもアイデアや展開の妙の話になってしまいがちですが、本当に面白い漫画というのはそれ以上に「面白さを伝達する技術」こそが優れているんですね。そのあたりにも注目すると、より色んな漫画を楽しく読めたりするかもしれません。