「プレイステーションVitaでゲーム実況」の可能性に期待

 今日のお昼に行われたプレイステーションカンファレンスでソニーの新型携帯ゲーム機「プレイステーションVita」とニコニコ動画の連携が発表されましたね。

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 リリース時は動画視聴アプリの提供に留まるようですが、来年にむけてプレイステーションVitaから直接動画投稿や生放送の配信に対応するとのことでとても期待しています。これは以前から軋轢を生んでいたゲーム実況プレイ問題にひとつの突破口を作るかも知れません。

「ゲーム実況」をメーカーがコントロール出来る可能性

 そもそもゲームプレイしながらその動画を配信ということが機能的に可能なのかという問題がありますが、PS VitaはゲームしながらSkypeといったマルチタスクが行える事がひとつの売りですので期待したいところ。リアルタイムでの配信は無理でも録画したプレイ動画をアップロードという形であればまず問題はないでしょうね。
 この、Vitaによる動画投稿、生放送配信の何が注目と言うと、プレイ動画配信をメーカーがコントロール出来る可能性があることですね。ゲーム実況に対するスタンスは各メーカー、各タイトルでさまざまで、通常のプレイ動画であれば問題ないという場合もあれば、対戦はいいけどストーリーモードは勘弁ね、と言う場合、あるいは許可できない、するにしても序盤の一部分だけに留めたいということもあるでしょう。しかしそれをコントロールすることは今までは現実的ではなかった。それがPSVitaを通すことで実現可能性が一気に上がったな、と思っています。各タイトルについて全面的に許可/不許可を設定するだけでなく、シーンを限定して、あるいは期間を限定してNGな部分とOKな部分をコントロール出来たりしたらなお良いでしょうね。

ゲームとの接触機会としての「ゲーム実況」

 メーカーによるコントロールが効かないという最大のネックが解消されれば、ゲーム実況という文化はゲームとの接触機会のひとつとして積極的な評価を得られる可能性があります。アニメの公式配信がコミュニティを活性化したように、後ろめたい感覚なく出来るゲーム実況プレイが広まれば今までとは違うゲームの楽しみ方が生まれる可能性もあるんじゃないかな、と思っています。

 例えば、プレイ中のゲームを起動しながらニコ生に接続することで、実際のプレイを他のプレイヤーに肩代わりしてもらうような遊び方も可能かも知れません。お茶の間で同居人に代わりにゲームを進めてもらうような感覚ですね。

 あるいは、生放送をしながら対戦相手を集い、その場ですぐに対戦プレイを開始出来たりしても面白いかもしれませんね。プレイヤーを指名したり観戦出来たりするネットゲームは今でもありますが、ゲームを持っていない人でも観戦出来る、持っていれば即乱入できるというのはゲームを購入したくなるよい動機になるように思います。

 もうひとつ期待しているのがPSアーカイブで配信されている旧作のプレイ動画配信ですね。PSアーカイブのソフトは1本600円程度とお手頃なのですが、その中身に触れる機会がなかなかないため、現状どうしても各自の想い出のゲームを購入するに留まってしまって新しいユーザーを増やす形にはなっていないんですよね。それがもしプレイ動画を配信できて、しかもPSVitaで見ていればその場ですぐにソフト購入出来るとなれば目に見えてソフトの売上を伸ばすことができるかもしれない。もしそういう関係が成立すればそれは実況配信者、視聴者、メーカーともどもに喜ばしいことなんじゃないんでしょうか。少なくともアーカイブソフトの配信が可能となれば、少なくともプレイ動画を配信したい人はそのソフトを購入してくれることは間違いないですし、一部タイトルのみでもよいので是非チャレンジしていただきたいなと思っています。

 上に書いたようなことが全部実現するとは思っていませんが、ゲームプレイ動画がゲームの楽しみ方のひとつとして受け容れられる可能性が出て来たことをとても喜ばしく思っています。是非とも大成功を収めて欲しいですね。