アイデアの実効性はどこまで勘案されるべきか

http://d.hatena.ne.jp/PyTest/20081112/1226488447

 トラックバックをいただいたので補足というか釈明をば。

 ニコニコ動画の改善案についてもう少し会計的(経営的)視点があってもよいのではないかというお話、それはもっともだとは思います。とはいえ実際の費用や収益構造については現場にいる人間でないと分からない部分も多々あり、そういったものについてはとりあえず仮の数字をおいて、詳しい人がツッコミを入れてくれればいいというスタンスでいたりします。また、特に数字を示さずとも、一般的な経済活動として矛盾しない範囲の話は文章が煩雑になりますのであえて記述していない部分もありますね。

 例えばプレミアム会員の増加が収益の改善に繋がるかどうか定かではないという指摘ですが、ニコニコ動画1000万人会員*1が快適に動画視聴する為の費用が3億円かかると仮定して、その場合一人あたりの負担額は30円です。プレミアム回線がいかにリッチだとしても一般回線の10倍の費用を投じているとは常識的に考えられませんから、プレミアム会員増=収益改善というのは前提と考えて良い話ですね。昨年の経営説明会で一般会員900万人、プレミアム会員50万人で収支トントンという説明があったのも裏付けと言えば裏付けですね。もちろん今以上に追加のサービスを考えた場合は、話が変わってくる場合はありますが。

 ニコニコ動画の費用の大半は回線増強の為の設備投資費であり、PVが増加すればするほど負担が大きくなってしまうというのがニコニコ動画の収支が改善しない最大の要因なんですよね。拡大路線を続ける限り赤字解消は非常に困難。逆に言えば拡大路線を止めてPV数を抑制すれば変動費用が縮小して自然と収支は改善する、というのが前エントリの基本的な趣旨ですね。

ニコニコ動画を黒字化するもっともシンプルで確実な方法 - 未来私考

 私はこうゆう数字を追うのが好きなので、調べられる限りは調べようというスタンスでいつもいますが、やはり専門外の事は分かりようがないという面もあります。ブックマークコメントで指摘された代理店マージン15%というのも、そうゆうものはあるだろうとは思いつつも、なかなか調べるのは困難ですし。それをこうやってわからないなりにブログで発信する事で、レスポンスが返ってきて知らなかった事を教えてもらえる。それを材料にまた一歩考察を深める事ができる。そうゆうフィードバックが得られるところがブログの面白さじゃないかと思うんですね。何の思慮もない一言の発言が、多くの耳目を集めて今までなかった価値を生む。そうゆう事を期待してもいいんじゃないかと。

 もちろん、俺が俺がで皆が自分の意見こそが正しいと主張しあって無為に時間が浪費される事も、ままあります。そうゆうネットコミュニケーションの負の部分に注目してしまうと、何も発言できなくなってくる。でも、それじゃつまらないじゃないですか。

 間違っててもいい。的外れでもいい。指摘されたらよく咀嚼してしっかりと自分の知識にしてしまえばいい。そうやってみんなで育っていける、自分を成長させる事ができるのがブログで発信する事の意味だと、考えています。

*1:厳密にはPV数で量るべきですが