ニコニコの歌い手が回りながら帰ってきた

 巡音ルカオリジナル曲「ダブルラリアット」。ニコニコ動画らしいネタに溢れた動画と、染み入るようなメロディ、そして深い歌詞。

 この曲は、作り手に対する応援歌なんですよね。解釈はいろいろあると思うけれども、何かを作りたい、何かを伝えたいと足掻いたことのある人の心のひだにスッと染み込んでくる。この曲を聴いて、いてもたってもいられなくなったニコニコの歌い手が、帰ってきた。

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 ゼブラ、実に552日ぶりの復活。

ゼブラとは (ゼブラとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

 詳しくは大百科を見ていただくとして、ゼブラさんは2007年頃の人気の歌い手の一人だったのですが、コメントの自作自演騒動なんかがあってしばらくニコニコ動画から距離を取っていたんですよね。トラブルを抱えてニコニコ動画から離れていった人が再び戻ってきてくれたという事自体がまず嬉しいし、それで歌う歌がダブルラリアットだというところもまた感慨深いですね。

 私がニコニコ動画にはまった2007年9月当時(初音ミクが登場した時w)、歌ってみたカテゴリはもっとも人気のあるジャンルのひとつだったのですが、この自作自演騒動のせいで多くの歌い手がニコニコから離れていってしまったんですよね。

 自作自演騒動自体が、この歌の歌詞にあるような、“周りの仲間たちが自分より上手く回れる”ことへのルサンチマンみたいなものがあって。気がついたら手が届かないと思っていた場所にまで自分のリーチが伸びていて。もっと、もっとと上を見上げていたそんな時代の揺らぎがあって。軸がぶれたり目が回ったりしながらも、それでも飛び回って、今まで見た事もないような景色を見たからこそ、自分の手が確かに届くその距離の大切さが改めてわかってくる。

 戻ってきたら厳しいコメントがつくのは分かっていただろうし、実際悲しい言葉もある。それでもあえて戻ってきてくれたのは、自分の手が届く半径85センチを見定めることが出来て、側にいてくれる仲間がいたからなんだろうな、と。

 ゼブラさん、復帰おめでとう。ありがとう。その勇気は必ず多くの人に届くと信じています。これからも活躍を期待しています。