セレソンゲームの勝ち上がり方

 東海地方は最終回が更に1週遅れると聞いてしばし呆然としてしまったのですが、気を取り直して最終回視聴前に今出ている情報だけで最後?の考察をしてみようかなと思っています。最終回を見た人にとっては的外れなことを言っている可能性もありますが、まあそれも愛嬌と言うことで。

 それで表題の件ですが、この考察に入る前に公式ブログで公開されていた最終回の予告ムービーの話から。公式ブログのものが削除されてしまっているのでYoutubeに転載されたものを。

ジュイス。俺をこの国の王様にしてくんない?」

 この台詞を聞いた時は膝を打ちましたね。なるほど、その手があったか、と。これっておそらくはこのセレソンゲームの唯一の、正しい勝ち上がり方なんですよね。

物部がやろうとしたこと

 実のところこれは、ジュイス…ノブレス携帯のシステムそのものを掌握しようとした物部のやろうとしていたことと発想としては同根なんですよね。何でも願いの叶う魔法のランプを手に入れたらどうする?という話で「これから俺が願うことをすべて叶えてくれ」と言うみたいな、一種の反則手。物語中で何度も繰り返し言われるように、この国を救うにはたった100億ぽっちじゃどうしようもない。だけれどもノブレス携帯のシステムを金額上限なしで無制限に使用できたら、どうだろう?という。だから物部はそれを反則だと認識した上で実行に移そうとして、しかしながら救世主として不適格と見なされ勝利を逃した。滝沢はあえてそれを正面からジュイスに依頼し、その答えがどうなるかは最終回を見るまでのお預けですが、可能性の扉を開いた。そう考えています。

 つまるところこのセレソンゲームというのは、ジュイスという超越的な国家運営システムをMr.outsideから引き継ぐことの出来る後継者を選抜するための仕掛けで。その真意に気付くことが出来るか、気付いたとしてそれまでにどのようにセレソン携帯を運用し、そして今後もそれを運用する覚悟があるか、それに答えを出すことができれば勝ちとして認められる。そういうゲームだったんじゃないかと。

No12はサポーターなのか

 ところでジュイス本体を移送したNo12ですが、携帯の履歴を見るとこれがジュイスへの初依頼なんですよね。ゲーム開始以来一度もセレソン携帯を使ってないわけですから確かにサポーターの最有力候補に思えるのですが、そのわりには物部の驚き方が尋常じゃないんですよね。以前、第4話でセレソンゲームのルールが示された時に、サポーターは12人(11人)とは別にいるのではないかと考察したのですが、物部も似たような結論に達していたのかも知れませんね。ところで、物部が素性を把握しているセレソンは9人(本人も含めて10人)。そうなるとNo12以外にももう一人素性が分かっていないセレソンがいるということですね。これは映画版までのお預け、なんでしょうね。

バトルロワイヤルとしての東のエデン - 未来私考

ジュイスの背後には誰がいるのか。

 ジュイスがAIであるというのは今まで出ていた情報から推測していた人も多かったんじゃないかと思うんですが、このオーバーテクノロジー気味なギミックをどう処理するかと思ったらかなりド直球で大型コンピューターの体で出してきましたね。公式サイトによると播磨脳科学研究所は成長型ニューロチップを開発していたということで、ジュイスセレソンたちの対話も、ジュイスを成長させるためのデータ蓄積という側面もあったように思いますね。

 ところで、ジュイスの決まり文句である「受理されました」という言い回しも気にしてみたいですね。これは額面通りに受け止めればジュイスの背後に決裁権を持った何者かがいて、その許可が下りたというニュアンスに思えますが、そう思わせるためのレトリックという解釈も可能かとも思います。とりあえず10話において、一度受理された依頼をキャンセルする権限をもつ存在が示唆されたわけですが、それがMr.outside本人なのか、あるいは別の誰かなのか。個人的には、背後の決裁権を持つ存在まで含めてすべてシステム化されているというのが好みですが、どうなりますか。

 ジュイスと同じ声を持つ美人さんとジュイスの関係は何なのかというのも謎ですね。このあたりもまあ、最終回では明かされないんでしょうねえ。彼女がアンドロイドだとするとちょっとオーバーテクノロジーが過ぎるので、恐らく生身の人間だとは思うのですが…アンチエイジング&性転換した阿東才蔵本人だったらどうしましょう(笑)。

 いろいろと評判は聞こえてきますが、最終回のもう一つの見どころ(であるはずの)咲の自立の問題も含めて、どうオチをつけてくるかなかなか楽しみです。ではまた放映後に。