オカダノートとTwitter

 岡田斗司夫の新サイト「オタキングex」で公開されているオカダ式ノート術の動画が面白かった。全部で1時間以上ある長い動画なのでかいつまんで簡単に説明してみたい。

ポップカルチャーは数世代に渡りファンを獲得し続けた結果、今やあって当たり前の世代を主役とし生活の一部となった

連想の左と論理の右

 このノート術の動画で一番なるほどと思ったのは「思考のジャグリングを止めて頭を楽にしよう」という話ですね。ブログ記事を書く時などに、ある程度話の枠組を決めて、展開を考えて肉付けしていくような作業をするわけですが、この肉付けの部分がなかなか安定しない。コンディションに左右されるんですよね。それをもっと楽にしよう、楽に出来る、という話と受け止めました。その方法というのが、見開きのノートの右側にロジカルな組み立て、左側に思いつきの連想を書き込んでいくという方法になるわけですね。

 右、左というとすぐに論理の左脳と感性の右脳といった話が出てきて、動画中でも言及があるのですが、単純にそれだけでもなく、ノートの進行方向が空白のままで断片化した思考を追記できるというのが良いように思いますね。論理的な思考というのは最終的に収束させることが目的ですから、順路は出来るだけクリアなほうが望ましい。しかしそれだけだと無味乾燥で肉付けが足りないから、頭の中でジャグリングをする羽目になる。肉付けに使うような断片的な思考は全部左ページに押し込めてしまって視野に入れるに留めるという効果があるように思います。マインドマップに似た部分もありますが、そこから思考を拡げるのが目的ではなく、とにかく断片を書き出して思考の棚卸しをするのが目的というのが、楽でいいですね

左ノートとTwitter

 頭の中に浮かんだ思考の断片をメモに書き出すと、実際に頭が軽くなるんですよね。脳内をぐるぐる回っていた言葉が、スッと頭から消えるんです。そうすると思考が煮詰められなくなるんじゃないかという疑問が浮かんでくるわけですが、よくよく考えるとこれって普段自分がTwitterを使ってやっていることなんですよね。パッと思いついたことを煮詰めずにとりあえず書く。くだらないダジャレとかツッコミとかをしたり、なんか標語のようなことをつぶやいてみたり、そうやって書いたものの中からピンと来たものに肉付けしてブログエントリにしたり。それをもっと効率よく継続してやっているのがオカダノートだとするとこれはなかなか面白いかも知れない、ということでしばらく実践してみようかな、という気になっています。このエントリを書くに当たっても実験的にノートに書き付けてそれを元に書いていたりします。

手書きかデジタルデバイス

 岡田さんはこれは手書き推奨ですよ、と言っているわけなんですが、実際にデジタルデバイスを使った場合と手書きとで何が違うのか、というとまず速度が違いますね。これは人によりけりかもしれませんが、直感的なイメージを書き留めるには文字入力はちょっとワンテンポ遅い。あとは図やイメージを書きやすいということ、関連アイデアマッピングや重要度の強弱を文字の大きさ等で使い分けやすいことなんかが理由でしょうね。といってもこれは全部左の連想ノートの話で、右側の論理ノートのほうはデジタルデバイスを使った方がひょっとしたらより良いかもしれません。一覧性も重要な要素なので現状は見開きノートのほうが便利っぽいですが、ゆくゆくは何らかのデジタルデバイスとの組み合わせも考えられるかもしれませんね。記録性、検索性を考えればデジタルデータのほうが有効な場面も多いでしょうし。

論理的思考の基礎作り

 と、ここまではいわゆる応用編の話。論理的思考になれている人は基礎はそれほど重視しなくても良いかもしれないと思いまずはそちらから攻めましたが、動画自体は論理的思考に慣れていない人向けの基礎作りの話から入っていてそれもなかなか面白いですね。一足飛びで応用編(動画中では上昇編)から取りかかってしまいましたが、行動ログに即重み付けをするという方法論はなかなか面白くて同時並行でやってみようかという気もしています。○○を読んだ、○○と会ったみたいな断片的な行動記録に、自分にとってそれは面白かったかどうかで直感的に5段階評価をしてしまう。これは行動と評価を結びつけることで、評価の低い行動を自動的に遠ざけるようにしようというアイデアですね。このあたりが面白いのは、これは人間の脳の優秀さを全面的に信頼してる考え方なんですよね。脳は表層意識に思考が上がってきている時以外でも常にフル回転で情報の関連付けを行っているという前提に基づいているんですね。だから今論理的な思考が苦手な人でも、習慣的に情報の重み付けをする癖をつければ、そのうちに勝手に論理的な思考が育ってくる、そう言ってるんです。これは信じるか信じないかという話になってきてしまいますが、個人的にはとても納得のいく話ですね。

目指せ、Yahoo!検索100万ヒット!?

 そんな感じで感心しながら動画を見ていたのですが、最後にちょっと苦笑してしまったのが、このノート術を実践できるようになれば、Yahoo検索で10万ヒットするようなブロガーになれます、というオチ。そうか、それが目標だったのか、と(笑)。一応試しに自分のidとブログ名で検索してみたところ、岡田さんの言うハブとしてのラインは越えているようでほっと一安心?

Yahoo!検索 GiGir で検索した結果/ 約188,000件
Yahoo!検索 未来私考 で検索した結果 約143,000件

 ちなみに終生のライバルの検索結果はというと

敷居の先住民 で検索した結果 1〜10件目 / 約321,000件

きっちりダブルスコアつけられてましたw。さてこのノート術を続けてみて、果たしてこの差は今後どうなっていくのか、そのうち成果も確認してみたいところですね。