Jコミβ2についてあれこれ
久しぶりの更新になってしまった。赤松健先生が主導する新しい漫画配信サービス、Jコミのβ2が始まってますね。
1月11日に新城まゆ先生の読切り作品「放課後ウエディング」(単行本未収録作品)、25日から樹崎聖先生の「交通事故鑑定人環倫一郎」全18巻が既に配信されています。2月1日からは週刊少年ジャンプで連載されていた石岡ショウエイ先生の「ベルモンド」全3巻も配信されますね。読切り作品、長期連載作品、短期連載作品と揃って、それぞれの動向がどうなるか注目しています。
以前から告知されていた通り、まずは先行して配信された新城まゆ先生の読切りについて、その掲載広告による収入も発表されましたね。
この数字についてちょっと分析を。放課後ウエディングに挿入されている広告は全部で3社3枚。52万5千円ということは1社あたり17万5千円ということですね。これが5000クリック保証の満額だとすると1クリック35円。クリック保証型の報酬としては妥当なところなのではないでしょうか。ダウンロード数とWEBビューワーでの閲覧数が合わせて7万件ほどなので、クリック率はおそらく10%弱といったところでしょうね。
Jコミの広告の面白いところは、満額達成以降は今後いくらクリックされてもスポンサーは追加で支払う必要がないんですよね。上記ニュースで興味を持ってダウンロード&広告クリックする人はこれからも増えるでしょうが、広告を出稿する立場からみればこれほど美味しいボーナスはないですね。広告クリックが半ばご祝儀になってしまって実際の広告効果が薄いんじゃないかという懸念もありますが、その分が上手く相殺されているようにも思います。作者からすれば早期に利益確定するのは喜ばしいし、広告主にしても追加の出費の心配なく継続的な広告効果を期待できる。それが認知されればスポンサー集めにも弾みがつくかもしれません。
さて、第2弾の「交通事故鑑定人環倫一郎」ですが、こちらは1巻あたりの広告掲載量は5社5枚。全18巻ですが、掲載位置はシャッフルされているものの、掲載広告はすべての巻で同一になっていますね。広告掲載位置は巻頭に3枚、巻末に2枚。「ラブひな」であった巻中の広告はなくなってます。おそらくクリック率が目に見えて悪かったのではないかと。
ところで「放課後ウエディング」と同様1社あたりの満額が17万5千円だとすると、5社で87万5千円となります。50ページの読切作品で52万5千円で、全18巻の長編で87万5千円ではさすがにちょっとインパクトがないのでなんらかの秘策があるのかな?と期待はしていますが。ひょっとしたら「ラブひな」での実績を元にクリック保証の満額を高く設定しているのかもしれません。もしクリック保証1万、1クリック35円なら倍の175万円。このあたりの数字を予想として置いておきましょう。
ちなみに「交通事故鑑定人環倫一郎」はダウンロード開始1日でトータル10万ダウンロードを超えていますね。クリック率5%としても既に5000クリック以上されている可能性は高く、瞬発的な広告媒体としてもなかなか魅力的かもしれません。何にせよJコミ事業の継続はスポンサーが付くかどうかに懸かっているといってもよく、このβ2の目的のひとつはスポンサーへのアピールだと考えているので、広告効果も含めて良い結果が出ることを期待しています。