「再会、母よ」を読む
アバンタイトルをちょこちょこといじってきてますねー。ジオンを敵役として分かりやすく説明しようとしているのが、スポンサーからの圧力があったんだろうなあという大人の事情を匂わせます。もっとも、おもねるのはアバンだけで、本編はガチで大人のドラマを展開しているわけですが(笑)。
冒頭のサービスシーンでのセイラさんの「太陽の光が1カ所から来るってわざとらしいわね」という台詞が趣深いですね。宇宙暮らしのほうが長い若者にとっては、地球の自然環境のほうが不自然に感じるという。宇宙で人々が生活する世界のリアリティというものをほんの短い台詞で表現しています。
アムロの実家を占拠していたうらぶれた連邦兵。戦線が拡大しすぎて本隊から見捨てられた兵たちがいるという描写はホワイトベースの置かれた状況と重ね合わせなんですよね。次の「時間よ、とまれ」で今度はジオン側の状況も説明されるのですが、どちらも膠着した戦争の前線の実際として納得のいく描写で、こんなフィルムをよくもまあ子供向け番組枠で作ってたものだとほとほと感心します(笑)。
数年ぶりにあった息子に対して「すさんだねえ」「私はおまえをこんな風に育てた覚えはないよ」等々NGワードを連発する母親については各所で語られていると思われますので詳細は省くとして。ブライトさんの腹芸が楽しい別れのシーンで、一瞬車を運転してきた男が映されるんですよね。キャプチャ取り損ねてしまったのですが、この1カットだけで冨野汁つゆだく大盛りすぎておなかいっぱいです。女って怖いなー。