デジタルネイティブな漫画表現の可能性

id:izuminoさんのブログ記事で知ったのですが、pixivの漫画ビューアが縦スクロールで読めるようになってますね。これが、思った以上に読みやすい。出版社等の提供する見開き形式でページをめくるタイプのビューアよりもはるかに「マンガを読んでいる」という実感がありますね。

うまくない見開きの使い方/pixivの漫画投稿システムがダメな理由 - ピアノ・ファイア
pixivでは珍しい横スクロールイラスト - ピアノ・ファイア

考えてみればscroll=巻物というのは書物としては平綴じの本よりもずっと長い歴史があるわけで、デジタルデバイス上での読書体験というのは本を模すよりも巻物を模すほうが実は理にかなっているのかもしれません。

漫画表現というのはいずみのさんの研究にあるように、本というメディアの特性に最適化する形で、見開きや、めくりによる効果というものが発展してきたわけですが、それがデジタルデバイス上では通用しなくなってくるという危惧があるんですよね。

この新しいメディアにあった表現というのも生まれてくるという予測はありつつも、それが具体的にどんなものなのか想像が追い付いていなかったのですが…それが巻物というより古い表現形式にヒントがあると考えるといろいろ見えてくるものがありそうですね。

縦スクロールでは見開きによるパノラマ効果というのは再現しにくいといった現時点での限界はありますが、縦スクロールではなく横スクロールならばパノラマ効果が得られるという可能性もありますし、デジタルデバイスならその両方の組合せも可能ですよね。あるいは紙の誌面では使い方に限界のある余白をデジタルデバイスであれば無制限に使えるという特性を生かした新しい視線誘導のロジックもあり得るかも知れません。

具体的な実践のある話ではないのですが、今までちょっとひっかかっていたものが自分の中で少し見通しがよくなった気がしたのでメモがてら。