思考のシンクロニシティ コードギアスで多用される言葉をつなぐ演出
コードギアス反逆のルルーシュR2 第10話「神虎輝く刻」見ました!いや、良かった。本当にしみじみと。これぞ、これこそがギアスクオリティ!噛めば噛むほど味わいが増す…正直、8話、9話は3回も見たら十分かな…という感じだったのだが、10話はもう既に3回見て、まだまだ今週いっぱい見続けるつもりです(笑)。やー楽しい。
何がそこまで違うのか
コードギアスの演出の基本はシーンの反復や対比、似たシチュエーションの繰り返しや台詞の類似、繰り返し、状況の逆転といったものを多用する事にあって、それは第8話、第9話においても実際には配置されていたんですが。それがどうも有機的に生きていない、しーんとシーンがぶつ切りの印象がどうしても残ってしまったんですね。
それでこの第10話なのですが。他人の台詞を引き継いで、他のキャラクターがそれを継ぐ台詞を語るという演出が非常に多用されてるんですよね。これが、特に戦闘シーンのようなスピード感を要求される場面で実に気持ちがいい。シンク―が指揮する中華軍とゼロが指揮する黒の騎士団との総力戦でそれが特に出ているんですが、互いに最善手を取る中で、お互いの思考の流れがシンクロして行くんですね。
お互いに戦況分析をするシーン。語るはルルーシュとシンクー。
“地形は高低差は少ない。地理的優位は望めない”、“加えて敵の軍は急ごしらえ。指揮系統はゼロに集中するしかない。しかしナイトメアフレームの性能は敵が勝る”、“となれば中華連邦軍の選択肢は”、“神虎を全面に押し立てての、中央”、“突破!”
これだけでお互いの分析能力が互角である事が一発で分かる。
完全に裏をかかれ激昂するルルーシュの言を継いで。語るはルルーシュと藤堂。
“シンクー”、“まだ決着はついていない!”
藤堂がゼロ(ルルーシュ)の戦略を正確に理解している人物である事を端的に示し。
ルルーシュを上回る(ルルーシュは互すると言ってますが)知略を見せたシンクーを評したシーン。語るはルルーシュと、シンクー配下のジョウ
“天は二物を与えたというのか”、“でも、時間だけは与えてくださらなかった”
シンクーの部下からの信望が高い事と、その理由を一発で分からせてくれる。
この演出が極まっているのが第1期第7話「コーネリアを撃て」なんですが、その話はまた機会があれば。何度見ても鳥肌ものの1話です。
R2第10話の旨味はもちろんこれだけじゃないですが、今日のところはこんなところで。しばらくはこの第10話を徹底解析してみたいと思います。