Cの世界のSF考証をしてみる

 コードギアスR2第15話「Cの世界」で明らかになった、Cの世界と不老不死の力“コード”の秘密。今日はこの設定に関するSF考証をしてみようと思います。

完全なる不老不死の力

 歳をとらず体型も変わらず、身体のどの部分を欠損しても再生し、あまつさえ粉々に分解されたとしても時間をかけて復活することが出来る。コードギアスで描かれている不老不死の力は、まさに完全無欠といっていい。この超常の力を、どうすれば科学的根拠に基づいて説明できるのか。結論から言ってしまうと、これはおそらくナノマシンに類する技術なのだろう、と言うことになります。

 コードの力に先立つギアスの力が神経に作用するナノマシンなのではないかという推論は1期の頃からなされていました。が、そこから特に話が発展するでもなく、そうゆう可能性があるね、程度で止まっていたように思います。しかしコードの力もナノマシン的な何かであるとするならば、なかなか面白い推論が可能に思えます。

 宿主の生体情報を全て記録し、自己複製する極小ナノマシン。それがコードの正体だとすると、あらゆる肉体欠損を修復可能であることに合点がいきます。しかし、この推論にはひとつ大きな欠点があって、それは、脳を欠損した場合、欠損前の記憶を保持することがナノマシンの修復では難しい、ということです。あるいはリアルタイムに生体情報の変化を拾ってデータをアップデートしていると言う可能性はありますが、そうだとすると、CCの体型が変化しないこと、大昔の傷跡が残ったままになることの説明ができません。肉体の修復は、コードの力を継承した時にプリセットされた情報に基づいて行われると考えるのが妥当に思われます。そうすると、脳に欠損を負った場合、記憶もプリセットされた状況に巻き戻されてしまう。これは、とても都合が悪い。

Cの世界は巨大な外部記憶装置

 そこで必要になってくるのがCの世界です。Cの世界は、コード能力者が地上のどこにいてもアクセス可能な巨大な外部記憶装置と考えると話が通る。コード能力者は、自らの肉体には新たな記憶を持たず、Cの世界の記憶庫にアクセスすることで記憶を形成している、そう考えることができそうです。そう考えると、CCがコードの能力を失ったと同時にこれまでの記憶を綺麗さっぱり失ってしまったことに合点がいきます。VVもまた、コードの力を失った後記憶が巻き戻っていたような描写があったことも気に止めておきたいところです。

 …と考えたところでCCの記憶は、コード能力の継承直前ではなく、ギアス能力の継承以前にまで巻き戻っているんですよね。これはちょっと別にロジックを組む必要があるかもしれないなーとは思いつつ。あまり綺麗でない推論は可能ですが…。

CCの記憶は戻らない

 もしこの推論がある程度正しければ、それはCCの記憶が簡単には元に戻らないと言うことになります。コードの力を皇帝から奪い返せば話は早いですが、そのための手続きを考えると現実的とはあまり思えません。CCはこのまま記憶を失ったまま、新たな人生の経験を積んでいく、そう考えるのが妥当に思います。そしてそれは私はとても望まれるべき事態だと思っています。といっても、完全に記憶を取り戻す手段が断たれているわけでもないんですね。

ただびとがCの世界にアクセスする方法

 コードの力を持たないただの人がCの世界にアクセスする方法は作中で示されてるんですね。それは、思考エレベーター。と言ってもこの機能は、コード能力者が自分の記憶の一部のようにアクセスするものではなく、あくまで外部から客観的に「記録を見る」形で実現されているように思えます。CCが記憶を取り戻すことなく、しかし自らの来歴を記録として眺めることが出来たならば。それはなかなかに興味深いシチュエーションになるのではないかと、想像しています。

CCの真名はいつあかされるのか

 ところで、文中でCC、CCと連呼していますが、彼女は既にCCという名ではなく、かつてCCと言う名で呼ばれていた、別の名を持つ少女、なんですよね。それは第1期11話で明かされた本名。彼女の名を呼ぶ時CCと呼称するのが座りが悪く感じる今日このごろ、そろそろ真名が正式に明かされてもよいんじゃないかと思うのですが、どうなんでしょうね。