笑顔で終わる物語

 コードギアス最終話の余韻にまだ浸っています。もう一度チェックしつつ、細かいネタにニヤニヤとしたり。主人公が死ぬという、ある意味バッドエンドであるにも関わらず、ここまでさわやかに、気持ちよく終われたというのが、この作品らしさですね。

 伏線は回収できなかったもの、回収できたものいろいろありますが、ルルーシュの物語として始まり、ルルーシュの物語として幕を閉じたんですよね。様々な問題を抱えつつも、そしてそれぞれの登場人物が、それぞれゼロとの、ルルーシュとの思い出を胸にこれからを生きていく。カレンの登校シーンには特にグッと来ましたね…。

CCの笑顔

“王の力は人を孤独にする。少しだけ違っていたか、なあ、ルルーシュ
 最後のCCの台詞。これが笑顔で語られるのが、とてもよかった。これは独白なのか、Cの世界のルルーシュとの会話なのか、いやどちらでも意味は同じなんですが、CCにとってはルルーシュと共に過ごしたこの1年あまりの日々がこれから永遠を生きる日々の力となり糧となるんですよね。それは、他のキャラクターも、日常を生きる私たちも一緒で…この楽しかったり苦しかったりした日々を胸にこれからを生きていく。そうゆう思い出を持つことが出来たら、それは決して孤独ではない…CCの最後の笑顔を見て、それだけで何か救われた気分になりましたね。

追記

 CCのことを考えていて、徳弘正也先生の「近未来不老不死伝説バンパイア」を連想したりもしました。永遠を生きる中で、他者との関わりを避けて自分が死ぬ方法を得るためだけに生きるのは、それは確かに苦痛でしかない。しかし、人の愚かしさも優しさも含めて、それを愛し受け入れて生きていくことができれば、それはその限りではないんですよね。バンパイアのマリアが最後屹然と「また、永遠を生きるか」と独りごちする姿はコードギアスルルーシュに語りかけるCCの姿と重なるものがあるように思います。