進化したアイドルマスターSP

 うっかりPSPアイドルマスターSPを購入してしまいブログの更新が滞っていますw。XBOX360版と比べてもかなり洗練されて遊びやすくなっていますね。面白いです。アイマス未経験者はもとより、アーケードやXBOX版が難しすぎて挫折してしまった人にも改めてお勧めしたいですね。

アイドルマスターのストイックなゲーム性

  ところでアイドルマスターがどんなゲームなのかいまいちよくわからない、説明を聞いてもピンとこないという人は少なからずいるようです。実際プレイしてみてイメージと全然違って面食らったという話もよくありますね。実際のところ、アイドル候補生を育ててトップアイドルへ導く“アイドルプロデューサー体験ゲーム”という公式にアナウンス通りの内容なのですが、アイドルたちの潜在能力を引き出しオーディションを勝ち抜くために自らのプロデュース技術を磨くストイックなゲーム性がアイマスが多くのプレイヤーを惹きつけているスパイスになってるんですね。ただ漫然とプレイするだけでは決して高みには昇れない、それがアイマスの面白さであり、同時に敷居の高さでもあるんです。

見た目はギャルゲー、でもデートはしない。ヒットした理由は意外なところに!?――『アイドルマスター』開発者インタビュー(1) - 日経トレンディネット

間口の広がったSP版

 アーケード版、XBOX版とも、実のところゲームとしてはかなり硬派で、ニコニコ動画等で見たカワイイ女の子たちと気軽にコミュニケーションできるゲームを期待して技術を磨くつもりのないプレイヤーは、容赦なく振るい落とされて涙目な展開になること請け合いで、その物悲しさもまた一興ではあるんですが、やはりアピール層と適正プレイヤーとのアンマッチというのはあったんですね。そのマッチングの問題をSP版は上手くチューニングしてきたな、というのがプレイしてみての印象です。

段階的にステップアップできるストーリーモード

 旧来のアイマスでは技術を磨こうにもゲーム中でのヒントが少なく、試行錯誤を繰り返すか、自分で周辺情報を探るしかなかったのですが、SP版で導入されたアルティメイトモード(ストーリーモード)ではプロデュースの基礎テクニックを段階を踏んで学習できるようになってるんですね。このモードがあることでようやくコンシュマータイトルとして十全になったとも言えますw。

 XBOX版では53週のプレイ期間(実時間で6〜10時間程度)でアイドルランクをFからAまでの6段階上げるというのが目標になるのですが、システムをよく理解できるようになるまでは序盤の失敗を後半で取り返そうとして難易度の高い選択をしてしまいますますドツボにはまるというパターンに陥り易いんですね。SP版のストーリーモードではそれを1段階10週(実時間で1時間〜2時間程度)に区切って、各ランク毎にコンティニュー可能としたことでプレイの欠点を修正しやすくなってるんですね。最後までたどり着くことが出来ればちゃんとグッドエンディングを見ることが出来ると言うのもプレイしていて安心感があります。頑張って頑張ってそれでもやはり失敗してしまうという無常感もまたアイマスのひとつの魅力でもあるので、手放しで歓迎してよいのかというと悩みどころではありますが、この改変は確実にプレイヤーの間口を広げていますね。もっとアピールされるべきかと。

かんたんアイマス講座

 ここでアイマスのゲーム性について簡単にまとめておきましょう。ゲーム中でプロデューサーであるプレイヤーの大目標は、アイドルのランクを上げること。決められた期間の中でF>E>D>C>B>A>Sの7段階のランクを駆け上がりより高ランクでエンディングを迎えることが、当面の目標となります。高みを目指すためにはオーディションを勝ち抜いてファンを獲得するしかない。そのためにはアイドルのテンション(やる気)とイメージレベル(注目度)の管理をする、というのが大まかなゲームの概要ですね。

 テンションとイメージレベルは高ければ高いほどオーディションで有利になる*1のですが、種々のイベントによって上がったり下がったりしてしまう。これをオーディションの日程に併せて高位維持するというのが円滑なプレイをする上で欠かせない要素となります。具体的には、レッスンで高得点を取る、営業で良いコミュニケーションを取る、オーディションで勝つ。という分かり易い結果を出せば自然と高位安定し、逆に失敗をすると数値が下がって負のスパイラルに陥ってしまう。一種シューティングゲームのパワーアップにも似た緊張感の高いシステムになってるんですね。

 さて問題はアイマスプレイの最大の鬼門であり乗り越えるべき壁である、オーディションですね。このオーディションは慣れるとなかなか奥深いゲームなのですが、いかんせん非常に複雑です。id:hajicさんによる素晴らしい解説記事などもあるのですが、はっきりいって初心者はこれを読んだだけで頭を抱えてしまうでしょうw。

アイマスSPかんたん攻略2 - はじめてのC お試し版

 ぶっちゃけてしまえば「習うより慣れろ」としか言いようがないのですが、一番大切なのは“勝てるオーディションに出る”ということに尽きるかと思います。オーディションは負けて良いことはひとつもありません。獲得ファン数の少ないオーディションでも勝てばイメージレベルが上がって、より上位のオーディションに挑戦し易くなります。目安としては獲得ファン数(万人)の2倍のイメージレベル、(もちろんテンションは高)で挑めば大怪我はしないと思われます。獲得ファン数5万人オーディションならイメージレベル10以上、ですね。自信がついたらどんどん上を狙っても良いですが、負けを取り戻そうとより難度の高いオーディションを受けるのは自殺行為なので厳に慎みましょう。それだけでプレイの質が随分変わるはずです。

流行イメージに流されない

 毎週の冒頭で社長から報告される流行イメージ。この流行とアイドルのイメージが合致しているとオーディションで有利になるという仕組みなのですが、ことSP版に関しては流行イメージはあまり意識しないほうが正解かもしれません。というのも、アーケード版やXBOX版では流行イメージはリアルタイムで変化していき短期間での大きな変動がないため戦略を組み易いのですが、SP版ではほとんどランダムといっていいほど毎週コロコロと流行が変わってしまうので、それに合わせた戦略というのが取り辛い。この改変は、衣装によるイメージの調整というわりとめんどくさい作業の重要度を下げる意図なのかな?と考えています。ちまちま衣装を取り替えても大きな効果は望めないので、お気に入りの衣装を元に、イメージレベルは出来るだけ真円をキープしておくプレイをお勧めしますね。

メモ帳必須?な約束システム

 SP版で導入された新要素「約束」システムもなかなか秀逸ですね。ライバルや記者、スタイリストとの仕事の約束、アイドルとのその週の行動の約束、ゲーム終了時の次回プレイの約束。これらは約束を守ると様々なメリットが発生し、逆に約束を破るとペナルティを被るというわかり易いシステムになっています。特にダブルブッキングやすっぽかしは、悪徳記者という一定期間イメージレベルを大幅に下げる非常に迷惑なペナルティを被る危険があるので絶対避けたいところ。出来ない約束はしない。これが基本です。スケジューリングに自信がない人は今週の約束以外は受けないほうが吉だと思いますね。とはいえこの約束はどれも協力で、特に記者との約束は敏腕記者という、一定期間イメージレベルを大幅に上げるボーナスのチャンスなので積極的に活用しましょう。

 アイドルとの約束は達成出来ればテンションが上がるのですが、時にレッスンでパーフェクトを取るとか無茶な要求をする子もいますので、自信がない時は心を鬼にして断りましょう。断ると少しテンション下がりますが、失敗すると大幅に下がりますので…。

ライバルオーディション

 ストーリーモード時だけのボーナスとも言える、ライバルオーディションも条件があえば積極的に利用したいですね。通常のオーディションより合格のボーダーが低い印象です。目安としては5万人オーディションでレベル8以上、10万人オーディションでレベル13以上あれば安定かなと。もちろんテンション高が前提です。

シビアすぎるセルフレッスン

 もうひとつの新要素、セルフレッスン。約束した時間までスリープすることでレッスンを受けたことにするという、レッスンが苦手な人の救済措置なのだと思われるのですが、この時間の測定がやたらと厳しいようで物議を醸しています。約束の時間に1分でも遅れたらバッド評価になってしまう、というのは仕方ないとしても、表示上同時間でも秒単位の遅れでもバッド評価になってしまうようで…。もう少し詳細の解析を待ちたいところですが、救済措置が実際にプレイするよりシビアというのはいかがなものかと…パーフェクト評価がジャスト時間のみ、というのは理解できるのですけどね…。

セルフレッスン - アイドルマスターSP攻略wiki - アットウィキ

自由な選択という喜び

 今回、もうひとつ大きな改変が、1日の行動が朝昼夜に3分割されて、1日で営業とレッスンを同時に行えるようになったことですね。これによってレッスンのし過ぎで思い出が足りない、営業にかまけてレッスンが出来ないといったジレンマから開放されたのは地味だけどとても大きい。前述の約束システムと合わせて、義務的な行動とやりたい行動を両立できるようになったため、プレイの作業感が大幅に軽減されているように思います。衣装調整の重要性の低下もあって、プレイヤーが自由な選択が出来るようにという配慮が随所にほどこされているように感じます。

実現しちゃったDLC

 SP発表以来、どうする?どうなる?と囁かれていたDLCダウンロードコンテンツ)ですが、アイマスSPのために新ファームウェアをあつらえるという豪腕で実現しちゃいましたね。購入のためにはプレイステーションストアのアカウントを取得する必要があるのですが、初回版に同梱の無料追加コンテンツを入手するためにアカウントとってみたところ、ついついプレイステーションアーカイブのソフトにまで手を出してしまったりしましたw。いつの間にかPS3を経由しなくてもアーカイブのソフトをインストールできるようになってたんですねえ。これは良いなあ。WiiバーチャルコンソールPSPPS3)のゲームアーカイブでPS以前の主だったタイトルはほぼ網羅出来る世の中になりつつありますね。旧世代ゲーマーとしては喜ばしい限りですw。

プレイステーションネットワーク | プレイステーション

 さて、毎回物議を醸しているアイマスDLCですが、これも何度もいわれている事ですが、ゲームの進行だけを考えた場合、どれも必ずしも買う必要はないんですよね。特に衣装系は、ゲーム中で手に入るものと能力の補正は変わらない。純粋に見た目の好みだけの問題ですので自分の好みにあえば買えばよいし、あわなければスルーすればいい。楽曲についても、1キャラ分で150円というのは、特定のキャラをプロデュースしたいというニーズを鑑みればむしろ選択し易くする配慮を感じますね。実際、今回のDLCは全部購入すると6800円になるのですが、私は1500円くらいしか使っていません。アイマス愛が溢れすぎちゃってる人たちが簡単に全アイテム購入とかしちゃうので誤解されがちですが、あくまで衣装変更はゲームを長持ちさせるためのアクセントと考えたいですね。

 とはいえ、確かにメールアドレスの購入は100円とは言えどうなのかな?と思わなくはないです。プレイをスムーズにする効果があるので買わなくても良いとも言いきれませんし、十全に楽しもうと思ったら、やっぱりこれはほぼ必須の機能ですからね。アーケード版からの伝統ですので、今更な話ではありますが、今回これだけ間口の広いゲームに生まれ変わったことですし、もう少し配慮があっても良かったかも?とは思いますね。

http://alfalfa.livedoor.biz/archives/51434130.html

 あと要望としては、難しいかもしれませんがDLCで新ストーリーや、プロデュース可能キャラクターの配信なんかがあったら大歓迎ですね。実際PSPの仕組みを考えると不可能ではないように思うんですよね。問題は容量と違法コピー対策ということになるかとは思うのですが、正規のディスク版1枚+DLCキャラクターという形で、各ディスクに入っていないアイドル、ライバルをプロデュースできたら間違いなく買っちゃいますね。アイマスチームには今後もいろいろと自重しないチャレンジをやっていって欲しいなと思っています。


 長々と書き綴りましたが、アイドルマスターSPは既存のファンにも新規のプレイヤーにも、また一度ゲームに挫折してしまったプレイヤーにも改めてお勧め出来る間口の広い良作となっているのは間違いありません。ストーリーモードでトッププロデューサー気分を味わって、フリープレイで涙目、勢い余って箱○やアーケードにも手を出してしまう愉快な未来が待っていること請け合い。なんて書くとよけい敬遠されてしまいそうですがw。今まで興味はあるけどちょっと手を出しづらいと思っていた層には本当にうってつけのアイマス入門作となっています。是非。

*1:他の効果もあるがややこしいので割愛する