カレン、サヨナラのキス

 コードギアスR2第22話「皇帝ルルーシュ」。今話も見所満載だったわけですが、その中でもやはり、特に注目したいのが、ルルーシュとカレンが、ついにキスをしたということですね。

 当ブログでは過去2度ほど、ルルーシュとキスというモチーフで記事を書いています。

ルルーシュとキス - 未来私考
シャーリーの恋 - 未来私考

 シャーリー、C.C.に続く3人目の女性。永遠に交わらないかと思われていたカレンとの口吻はカレンのほうから強引に奪うという形で実現しました。シャーリー、C.C.とのファーストキスと同様に、別れのイメージを伴って。

カレンがルルーシュに求めていたもの

 R2第7話「棄てられた仮面」において、ルルーシュにキスを求められたカレンが平手打ちとともに言い放った言葉。
「最後までゼロを演じきって見せてよ!」

 それはルルーシュに対する叱咤激励であると同時に、ルルーシュが何者であろうと自分は最後まで信じ切ってみせるというカレンの覚悟の言葉でもあった。ギアスの力を知り、ルルーシュの素性も既に知った上で、最後まで付いていく。だから最後までゼロを演じきって見せてと言っていたんですね。

 しかし、第10話から第20話の長きに渡って虜囚となっていたカレンには、その間のルルーシュの心の変遷をとらえきることができなかったんですね。カレンは、ただ一言ルルーシュから「俺を信じて着いてこい」と言ってほしかった。しかしルルーシュの口から零れるのは自らを悪役に仕立て、罪を背負って散っていこうとする言葉ばかり。カレンは、ルルーシュに死ねと言われればいつでも死ぬ覚悟が出来ていた。しかしルルーシュはカレンにそれを許さなかったんですね。ギアスではない、言葉の…想いの力によって。

最後までゼロを演じきること

 カレンは、ルルーシュが世界の敵として何をやろうとしているかを、心の奥底ではおそらく理解している。しかし、それを知ってなおルルーシュの敵を演じられるほど器用なキャラクターではないんですよね。知ってしまえば、すべてを棄ててルルーシュに付き従ってしまう。それで仲間に射殺されてもそれはかまわない。自らがギアスにかからない事を知っているカレンが「ギアスにかかったら」という仮定をおいているのはそうゆうことなんですね。ギアスにかけられる危険を知りながら、それでもまっすぐルルーシュに向き合ったのはそうゆうことなんでしょうね。
 裏切りのゼロ、悪逆皇帝ルルーシュを最後まで演じきる覚悟をしたルルーシュ。カレンはそのルルーシュの嘘に薄々気付きながら、それを暴くことはしなかった。無言のルルーシュの決意が、けして揺るがないものであることを、理解してしまったんでしょうね。だからこそ、自ら決別のキスをして、ルルーシュの敵となることをカレンは選んだんでしょう。

 しかし、前出のエントリにあるように、ルルーシュとのキスには2度目が用意されている可能性が、とても高い。その時カレンは、あらためて偽りの仮面を脱ぎ捨てたルルーシュと対峙するのかもしれない。