「ランバ・ラル特攻!」を読む

 面白いー!思わず見入ってしまった。何このアニメ凄く面白いんですけど。これは人気出るの分かるなー。というくらい面白さの質が一段アップしてますね。1話以来の作画の安定した回というのもあるんですが、ひとつひとつのカットが実に丁寧に描かれていて、更に演出的な冒険も随所に仕掛けられていて息つく暇もない面白さですね。こうも飛躍的に仕事の質があがると、いったい何があったんだと思ってしまいますw。

 作戦の進行、兵器の運用等の描写がとても緻密で、一つ一つ解説していってもいいくらいなんですが、そういうのは他の人に任せましょう。とにもかくにも、何度見ても素晴らしい。そしてこの回よりいよいよ本格的にカットイン演出が用いられていますね。これによってコンテの自由度が飛躍的に上がって、モビルスーツ戦がとてもスピード感のある躍動的な絵作りが可能になっています。

 ラル隊の実質的な中心となって兵たちを鼓舞するハモン、あくまでブライトを立てながらホワイトベースの実際の運用を行っているミライ等、男と女の駆け引きも本当に味わい深いですね。

 それにしてもハモンさんは美しいなあ。この、本当に繊細な表情の付け方に魅了されます。ラルや兵たちに、そしてアムロにも男であることを要求するその微笑の説得力たるや。ラルたちと別れたあとのアムロとフラウの、言葉とは裏腹のやり取りもいいですね。言葉では悪態をつきながらも、男らしくない行動を取れない魔法をかけられたかのようなアムロの動きがとても面白い。

 独房の中で、本当の意味で突き放されて、虚勢を張っていた仮面が剥がれて本心が出てくる、甘えが抜け落ちて戦士の顔となったアムロの描写も熱い。今までずっと戦場の抑圧された苦しさをずっと描写してきたガンダムですが、新たな演出的な工夫と、女性の強さと華やかさという武器を手に入れ大きく飛翔を始めた。そんなターニングポイントとも言える重要な1話だったんじゃないでしょうか。